JOSHUA REDMAN(ジョシュア・レッドマン)

1969年2月1日カリフォルニア州バークレーに生まれる。前衛サックス奏者Dewey Redmanを父に持つがサックスは10歳の時から独学でマスター。ハーバード大を主席で卒業後、1992年のMonkコンペティションで優勝を果す。レコード会社の争奪戦の末、同年ワーナーと契約を結ぶ。翌年発表した「JOSHUA REDMAN」を契機にカルテットを結成し本格的な活動に乗り出す一方、同年夏にはPAT METHENY、CHARLIE HADEN、BILLY HIGGINSと組んだカルテットで欧米ツアーも成功させている。1996年には自己のグループをカルテットからクインテットに拡大し大きな注目を集めた。

「JOSHUA REDMAN」1993年発表

JOSHUA REDMAN

JOSHUA REDMAN(ts)、KEVIN HAYS(p)、CHIRSTIAN McBRIGHT(b)、GREGORY HUTCHINSON(ds)

記念すべきデビューアルバム。新進気鋭のリズムセクションをバックに新人とは思えぬ堂々たるプレイを繰り広げている。いきなり自作の「BLUES ON SUNDAY」からスインギーなプレイを聴かせる。次作のタイトルにもなった(2)「WISH」ではブルースフィーリングたっぷりのバラードを。MONKナンバー(3)「TRINKLE TINKLE」や(6)「BODY AND SOUL」といったお馴染みの曲もサラリとかわしてみせるあたり頼もしい。バックのトリオも新鮮なプレイで応えているが、特に本作のみに参加しているHAYSがよい。JOSHUAのサックスも強い個性こそないが太く豊かなトーンが安心感を与えてくれる。(11)「SUBLIMATION」ではモーダルな曲想でCOLTRANEに迫っている。伝統的ながら決して古びた感じがしない不思議な作品。素晴らしい。誰もが驚愕した鮮烈なデビュー盤。

「WISH」1993年発表

WISH

JOSHUA REDMAN(ts)、PAT METHENY(g)、CHARLIE HADEN(b)、BILLY HIGGINS(ds)

レコーディング自体は前作よりも先に済んでいたというセカンド。バックの顔ぶれに注目。Rejoycing Trioだ。そんなお歴歴をバックにJOSHUAは臆することプレイしている。やはりピアノの代りにギターが加わることでより、音の空間が広がったように感じられる。そんな中をJOSHUAは淡々と吹き上げている。アップテンポの(4)「THE DESERVING MANY」はかっこいい。(5)「WE HAD A SISTER」では幻想的に、(6)「MOOSE THE MOOCHE」ではバピッシュだ。(7)はPATとデュオでCLAPTONの「TEARS IN HEAVEN」に挑戦。切なさが良い。(9)「WISH」(10)「BLUES FOR PAT」ではこのグループのライブ演奏が聴ける。全体を通してPATが大人しくバッキングに徹しているのが面白い。内容と共に顔合わせの妙を楽しもう。

「MOODSWING」1994年発表

MOODSWING

JOSHUA REDMAN(sax)、BRAD MEHLDAU(p)、CHIRSTIAN McBRIGHT(b)、BRIAN BLADE(ds)

三作目にして全曲オリジナルに挑戦。(1)「SWEET SORROW」からなんとも妖しげなスローナンバーで迫る。MILESの”KIND OF BLUE”を彷彿とさせる。深い。(4)「FAITH」ではちょっぴりポップス風。(5)「ALONE IN THE MORNING」は爽やかなリズムが心地いい。(7)「DIALOGE」はかなりフリーなナンバーだ。時折牧歌的なメロディが出てくるあたりESP的だったりする。(8)「THE ONENESS OF TWO」ではソプラノを吹くが個性を出すまでにはもう一歩か。急速調の(10)「OBSESSION」もスリリング。ラストはファンク調の「HEADIN'HOME」。McBRIGHTのエレベが聴ける。本作のポイントはMEHLDAUの参加で、素晴らしい演奏を聴かせている。この後MEHLDAUも一気にブレイクした。JOSHUAが自分のやりたいジャズを初めて全開にした、記念碑的傑作である。

「SPIRIT OF THE MOMENT live at the Village Vanguard」1995年発表

SPIRIT OF THE MOMENT

JOSHUA REDMAN(sax)、PETER MARTIN(p)、CHIRSTOPHER THOMAS(b)、BRIAN BLADE(ds)

初のライブアルバム。二枚組トータル150分という圧倒的ボリュームを誇る。スタジオ録音と異なり奔放なJOSHUAを堪能できよう。ピアニストにPETER MARTIN、ベースにはCHIRSTOPHER THOMASを迎えた。個性ではMEHLDAUに劣るMARTINだがバンドにフィットするピアニストとしてはむしろ適役かもしれない。控えめながら聴かせるソロが印象的。曲は10分以上の長尺が多い。JOSHUAに負けじとドラムを乱打するBLADEも強烈だ。T‐(2)「MY ONE AND ONLY LOVE」でのバラード演奏に成熟したJOSHUAの姿が窺える。またT‐(4)「SECOND SNOW」でのソプラノにCOLTRANEの「MY FAVORITE〜」を思い出す人も多いだろう。注目はMOBLEYで有名なT‐(5)「REMEMBER」。リラックスした演奏に自信が漂う。全部聴き通した後には心地よい疲労感が残る濃密な2時間半だ。

「FREEDOM IN THE GROOVE」1996年発表

FREEDOM IN THE GROOVE

JOSHUA REDMAN(sax)、PETER MARTIN(p)、PETER BERNSTEIN(g)、CHIRSTOPHER THOMAS(b)、BRIAN BLADE(ds)

前作ライブで早くも一つの頂点を極めたJOSHUAが新局面を見せるべく放った第5作目。一曲を除き全てオリジナル。やはり注目はギター入りクインテットという編成。PATとの共演とは異なりあくまでJOSHUAの音楽の一部としてギターが機能している。タイトル通りグルーヴを強調したリズミックな演奏が目立っている。(2)「ONE SHINING SOUL」はどことなくフュージョンタッチ。ギターの効果か。(4)「WHEN THE SUN COMES DOWN」はソウルフルなバラードで、これまたギターがいい味を醸し出す。(6)「INVOCATION」ではオーネットを思わせるアルトを聴かせる。(8)「CAT BATTLES」ではアップテンポの佳曲でMARTINのピアノが奮闘。全体的に聴きやすいナンバーが揃っており、JOSHUAのグループ表現も成熟してきている。新展開が見えてきた。

「TIMELESS TALES(FOR CHANGING TIMES)」1998年発表

TIMELESS TALES

JOSHUA REDMAN(sax)、BRAD MEHLDAU(p)、LARRY GRENADIER(b)、BRIAN BLADE(ds)

発表されたばかりの最新作。ここ3枚ほどオリジナルの演奏に拘ってきた節が窺えるが本作では有名スタンダードとポップスナンバーで固めており、全てをインタールードで繋ぐことでアルバム全体にひとつの流れを生み出している。ピアノにはMEHLDAUが復帰。冒頭からお馴染みの「SUMMERTIME」をアグレッシブに料理する。他にも「YESTERDAYS」「春の如く」「LOVE FOR SALE」などの有名スタンダードをJOSHUA流に解釈。ポップスではSTIEVIE WONDER、BOB DYLAN、BEATLES、PRINCE(!))、JONI MITCHEL等を取り上げているが、うまくジャズナンバーとして昇華させているところが流石だ。特にDYLANの(7)「THE TIMES THEY ARE CHANGEIN'」が気に入った。PRINCEの(17)「HOW COME U DON'T CALL ME ANYMORE」はちょっとどうかな?と言う感じ。


BACK