1970年、サンノゼで結成され、72年のセカンドアルバム「トゥールーズ・ストリート」から”リッスン・トゥ・ザ・ミュージック”がスマッシュヒットとなり注目を集める。そして73年のサードアルバム「キャプテン・アンド・ミー」からは”ロング・トレイン・ランニン”が初のトップ10ヒットとなった。また74年の「ドゥービー天国」からは”ブラックウォーター”がNo.1ヒットとなり彼らはウェストコースト系の人気ロックバンドとしての地位を確立した。75年にはスティーリー・ダンからジェフ・バクスターが参加、彼らはトリプルギターとなりアルバム「スタンピード」を発表するが77年にはトム・ジョンストンが健康上の理由でグループを離脱、かわりにスティーリー・ダンからキーボード・プレイヤーのマイケル・マクドナルドが参加する。彼の参加によって、グループはフュージョンセンスの強い都会的なサウンドに変身。78年の「ミニット・バイ・ミニット」からのシングル「ある愚か者の場合」は彼らにとって2曲目のNo.1ヒットとなった。その後も活動を続けるが82年に解散。89年に初期のメンバーで再結成され「サイクルズ」をリリース。今も現役として活動中である。
デビューアルバム。日本では1975年に初めて発売された。セカンド以降の印象が強いので影が薄いアルバムではあるが、初期ドゥービーの特徴は十分に表れている。シンプルなコーラスワークに爽やかなツインギター。カントリーやサザンロック的な要素も取り入れたサウンドだ。(1)「NOBODEY」、(3)「GREENWOOD CREEK」、(6)「FELLIN' DOWN FARTHER」などがいかにもドゥービー。曲はほとんどトム・ジョンストンが書いているが(9)「THE BEEHIVE STATE」はランディ・ニューマンの曲。ハードな仕上がりでかっこいい。
実質的なデビュー作ともいえるセカンド。永遠の代表曲となった「LISTEN TO THE MUSIC」で幕を開ける。初期ドゥービーの魅力が凝縮された名曲。ゆったりとしたアコースティックサウンドが心地よい。(2)「ROCKIN' DOWN THE HIGHWAY」はノリが良く楽しいハードナンバーでこれまた代表曲といえる。ライブでも欠かせない。他には7「JESUS IS JUST ALRIGHT」も有名。ファンキーな(5)「COTTON MOUTH」、サザンロックの(6)「DON'T START ME TO TALKIN'」などバラエティに富んでいる。まずは聴いておきたい名作である。
前作で確立したドゥービーサウンドの完成度をより高めたサードアルバム。本作も重要なナンバーを含んでいる。(2)「LONG TRAIN RUNNIN'」がスリリングな名曲。中盤のハーモニカもかっこいい。そして(3)「CHINA GROVE」はCMでも流れている曲で誰でも親しめるアップテンポの明るいナンバーだ。(6)「WITHOUT YOU」ではアグレシッブなハードロックを取り上げ別の一面も見せている。分厚いギターの絡みが気持ちいい。(7)「SOUTH CITY MIDNIGHT LADY」はアコースティック主体の切ない佳曲。本作も必聴でしょう。
いよいよ大物の仲間入りを果し、余裕さえ感じられる作品。(1)「君に捧げし歌」ではホーンセクションが活躍。曲もゆったりとした貫禄がある。(4)「BLACKWATER」は彼らにとって初の全米1位となった。初めは(10)「ANOTHER PARK ANOTHER SUNDAY」のB面だったという曰くつきの曲。(7)「ROAD ANGEL」は前作の「WITHOUT YOU」の続編のようなハードロック。(9)「DOWN IN THE TRACK」ではブギーに挑戦。相変わらず様々な表情をもった曲の集まりだがアルバム全体としてのまとまりも上々。安心して聴ける一作。
ジェフ・バクスターが加わりトリプル・ギターとなった5作目。前期ドゥービーの集大成ともいえる内容であり、メンバー全員が力を出しきった大名盤。とにかくアルバム全体を貫く勢いが凄くパワフルそのものだ。(1)「SWEET MAXINE」から魅力全開。ピアノがいい味を出す(3)「TEXAS LULLABY」はスロー。(4)「MUSIC MAN」はドラマティック。そして本作最大の名曲は(6)「君の腕に抱かれたい」。IT'S DOOBIE!と言う感じの楽しいナンバー。他にも前期ドゥービーの魅力が詰まった曲が満載。予約だけでミリオンセラーになったという文句無しの傑作だ。
トム・ジョンストンが病気のためマイケル・マクドナルドが加入し主導権を握り始めた転換期のアルバム。そう書くといかにも中途半端な感じを受けるが決してそうではなく、逆に初期のスタイルと後期のスタイルが程よくミックスされた内容になっている。端的に表れているのが(1)「WHEELSOF FORTUNE」。力強いがどこかAOR的な曲。そして本作の、そして後期ドゥービー最大の名曲が(2)タイトル曲。このなんとも言えないメロディ。76年のこの時期にしか生まれ得ない曲だと思う。他にも佳曲が多いがなんと言ってもタイトル曲に尽きる。これも名作。
完全にマイケル色に塗りつぶされた感のあるメロウなAORアルバム。トムは本作を最後に脱退する。フュージョン色も濃くなっておりキーボード主体のサウンドになっている。どれもオシャレでメロウな曲ばかりだが(3)「LITTLE DARING」がベストか。(1)「思いのままに」、(2)「ECHOS OF LOVE」もポップでメロディアスな佳曲。(7)「CHINATOWN」はフュージョン色濃し。アルバムのテンションは決して高くなく時代を感じさせる内容だが、クオリティ自体は相当高い。個人的には後期の最高作とされる「MINUTE BY MINUTE」よりも好きだったりする。
後期ドゥービーが頂点を極めたアルバム。全米チャートでも2位まで上昇。何と言っても目玉は(2)「WHAT A FOOL BELIEVES」。マイケルとK・ロギンスの共作で全米1位。グラミー賞も獲得したドゥービー最大のヒット曲。とことんオシャレでエレガントだ。アルバムもこの曲に象徴される内容でAOR色が最も強い作品。しかし一曲毎の完成度は前作以上であり完璧ともいえよう。(3)タイトル曲も一度聴いたら忘れられない名曲。(5)「DON'T STOP TO WATCH THE WHEELS」ではトムがゲスト参加。本作を聴かなければ後期ドゥービーは語れない。
前作でほとんど究極ともいえるAORアルバムを作り上げてしまったドゥービーの解散前のラストアルバム。路線は当然前作を踏襲しているが、やはり内容的に超えてはいない。良くも悪くもゆとりや安定感が感じられる作品。マイケル色は依然濃いが前作のように傑出した曲が見当たらないのが弱点か。それでもアルバムのクオリティは高い。ラテン色も感じられる。平均的な出来の曲が多い中(2)「REAL LOVE」、(4)「THANK YOU LOVE」、(5)タイトル曲、(9)「ONE BY ONE」を推選曲に挙げておこう。
伝説となった解散ツアーのライブ盤。このツアーを最後にドゥービーが見られなくなると思うと感傷的にならずにはいられない作品だ。冒頭から私の一番好きな曲「TAKIN' IT TO THE STREET」が炸裂。後は最後まで名曲のオンパレード。特に仲違い状態だったトムがMCで紹介されて登場する(16)「LONG TRAIN RUNNIN'」、(17)「CHINA GROVE」が感動的だ。音質も上々で臨場感も味わえる。後の再結成のことは、とりあえず忘れて浸りたいライブアルバム。
奇跡とも思えた再結成を果しての第一弾アルバム。トムを中心とした初期のメンバーが再集結しただけに期待も大きかった。それに応えるのが(1)「THE DOCTOR」。これぞドゥービーと快哉を叫びたくなるエネルギッシュな出来で、この一曲だけでも満足してしまう。(2)「ONE CHAIN」はフォートップス、(6)「NEED A LITTLE TASTE OF LOVE」ではアイズレーズのカヴァーを取り上げる。単なる懐古趣味には終わらせないというメンバーの気合が感じられるが(1)を除くと完全復活にはあと一歩か。マイケルも一曲提供し花を添えている。
再結成第二弾。完全にバンドとしてのまとまりを取り戻したようだ。アルバムの完成度も前作以上。ただし曲のイメージや音作りには変化が見える。初期のイメージというよりはよりアメリカン・ハードロック・スタイルに移行したようだ。まるでフォリナーかと思うような曲もいくつか。(1)「SOMETHING YOU SAID」、(5)「DIVIDED HIGHWAY」などだ。そんな中で(8)「THIS TRAIN I'M ON」はマイケル時代を彷彿とさせるソウルっぽい曲で楽しめる。今後のドゥービーを占う意味で興味深い内容だ。豪快さ、埃っぽさが薄くてあまり気に入っていないけど。
現時点では最新の音源。動物愛護団体のチャリティのために行われたコンサート。2枚組24曲(新曲2曲)。前期の代表曲が中心のレパートリーだがマイケル時代の曲もほぼ漏れなく収めている。また再結成後の曲のライブバージョンが聴けるのも重宝する。ただしライブアルバムとしての出来は「フェアウェル・ツアー」のほうが断然上に思う。本作では良くも悪くも”現役”バンドとしての余裕が感じられ、”これで最後”という「フェアウェル〜」のような熱気や気迫がやや欠けているようだ。ベスト盤的な楽しみ方がいいのでは。